前々回のブログでGraphRAGによる自由回答からのインサイト抽出というサービスのご紹介をさせていただきました。
もう少し簡易に、RAGを使ったマーケティングができるサービスができないものかと、考えてみました。
RAGの精度を上げるために、いくつかの方法があるようです。
1.入力情報の質を高めること。:マーケティングの要件を考える上で、必要な情報が含まれていること
2.検索方法の精緻化:前々回ではここにGraphRAGを使っています。
3.LLMのモデル性能を上げる:GPT 01 など高性能な新モデルが登場しています。
4.パラメータの調整: 目的に合わせtemperature などのパラメータ調整が必要です
5.適切なプロンプト: 求める目的や役割、型式、コンテキストなどを指定して、求める回答を導くためのプロンプト作成が必要とされています。
その他もあるかと思いますが、マーケティング実務に使えるプラン作成を行う上で、誰にでもすぐに使えるアプリとして提供することを、今回は考えたいと思います。
誰にでも使えるRAGによるマーケティング・プランニングアプリを作りたい
そのためには、いろいろ試したのですが、GraphRAGは難しそうでした。もっと簡単にアプリ作成を行うために、簡易にできるアプリ作成ツールを用いた上で、1の入力情報と、3のLLMに性能が高いモデルを使うことで、アプトプットのレベルを高める方向で考えてみました。
<RAGを使ったマーケティング・プランニングアプリ:GaditⅡ>
ポイント1:SWOTなどのマーケティング・フレームワーク分析を行うために、必要な情報を入力:特にマーケット情報を生成AIによって自動的に情報整理してくれる検索アプリ(現在のところ無料)、Genspark(https://www.genspark.ai/)を利用。
Gensparkを使うことで、精度の高いインプット情報が超速で検索しまとめることができます。
ポイント2:多段階のプロンプトを組み込むことで、一貫性がはかれ、精度が上がります。 独自情報のナレッジ化 ⇒ フレームワークによる課題設定 ⇒ 課題解決に向けたブランド販売戦略 ⇒戦略に基づく統一コンセプトによる広告キャンペーンプラン ⇒コンテンツ生成
ポイント3:LLMに GPTo1を使うことで精度が上がります。
では実際に作成したアプリのテストケースをご紹介したいと思います。
<マーケティング・プランニングアプリのテストケース:婦人用ショートブーツ>
想定:婦人用ショートブーツ Blanche(仮想ブランド)のSWOT分析、販売戦略、広告キャンペーン案を、必要情報をインプットし、アプリを作成。
インプット情報: 婦人用ショートブーツ市場情報、仮想の製品情報、女性の靴に対するインサイト情報(履きたくないけれど履いている理由)
(婦人用ショートブーツ市場情報) (女性の靴に対するインサイト情報)
<これらの情報をナレッジとして組み込んだ、アプリ画面の紹介>
チャットアプリとなっていますので、プランニングしてほしい内容を質問するとAIが回答してくれます。
(「婦人靴マーケティング・フレーム」スタート画面)
(アプトプット画面:①SWOT分析)
(アプトプット画面:②SWOT分析に基づく販売戦略)
(アプトプット画面:③広告キャンペーン案)
以上、超速で、結構なレベルの回答を戻してくれます。質問を繰り返すことや、方向性を詰めることで、
作業効率が向上できるのではないでしょうか。
ちなみに、この内容をコピーし、無料の生成AIによる図解作成アプリ(NapkinAI:https://app.napkin.ai/ など)を使うと、よりわかりやすくしてくれます。
販売戦略のアウトプットを図解化したものとして、こんな感じになります。
上記のアプリ作成サービスを「GaditⅡ」という名称にて、10月17日に、
ニュースリリース配信をさせていただきました。
プランニングアプリなど、ご興味のある方、ぜひご連絡ください。
よろしくお願いいたします。